2014年4月8日火曜日

交通違反取締の運用(やりかた)に対して警察方式(件数至上主義)を応援する皆様へ。




日常、ふつーのサラリーマン生活をして、
週末くらいはドライブで出かけるような
平凡な生活を送っているワタクシが、
たまにネットに見られる表題のような主張


「いかなる状況であっても、違反は違反」
「ネズミ捕りを回避できない運転者が未熟」
「ノルマはサボりを防止するために必要!」
「警察はがんばっている!」

にたいして、
ワタクシなりになんとなく考えたことを書いてみました。



・・・少し古いデータで恐縮ですが
現状のノルマ制違反取締り方式の是非を問うために
1979~2006年までの関連数値をグラフ化しました。

ワタクシ自身は、取締りが旧態依然とした件数ノルマ制であっても、
取締り本来の目的である「交通事故件数の抑制」を
効果的に達成できているならば、正しい手法なのだろうと考えます。

しかし、このグラフからは自動車保有台数の増加に引きずられて
結果として交通事故も増加を続けていることがわかります。
つまり検挙件数を一定量維持しても交通事故は
増え続けている事実が浮かび上がります。



警察は
「取締りに当てる人員や予算がもっと潤沢にあれば
より多くの事故を抑制できるが、諸処制限の現状ではこれが精一杯である」
と主張するでしょう。


・・・ワタクシとしては、この主張は言い訳にすら聞こえません。


なぜなら、いかなる組織も目的実現のために
無限のリソース(人員・予算・設備)をもっていることなどないからです。


一方、少なくとも警察には年間800~900万件の違反を
検挙するだけのリソースが間違いなくあるわけですから、
そのリソースで彼等が目的とする交通事故件数を抑制できないなら、
速やかに「方法」を変更するべきです。

それが特定の使命を受けた組織が行うべき義務だと思います。
(民間営利企業に勤めておられる方であれば理解いただきやすいと思いますが)


しかしながら、結果が出ていないにもかかわらず、
現行方式に工夫をせず安易な慣例主義で検挙件数維持のみをもって
ベストを尽くしたとする
警察の思考様式は、
常軌を逸していると思わざるを得ません。


結果を重んじる民間企業であれば半年も経たず責任者は更迭されるでしょう。


余談ながらワタクシが警察幹部であれば、
「検挙件数」ではなく「事故発生件数」にノルマ
(前年マイナス30%とか)を課します。

そして、そのノルマを達成するために限られたリソースの
投入場所・時期・方法を選りすぐって実行します。
少なくとも年間に数件しか事故がおこらない場所に、
休日早朝から身を隠した警察官を配置するような無駄はせず、
事故が多発するラッシュアワーの交差点に
ビデオカメラを持たせた警察官を身を隠して配置するでしょう
(これなら現場で検挙してもよいですしオービスの如く後日検挙もできます)。

そもそも取締活動だけで
事故件数が減るとは思えませんので
総合的な手立てを各省庁を横断しながら考えます。


いずれにせよ、従来方式で事故件数を
減らせないのであれば、
過去と違う方式を模索し続けることは
間違いありません。


このような誰もが思いつく改革案が警察内部から現れず、
旧態依然とした方式が蔓延しつづけるのはなぜでしょう?


警察組織が愚行を繰り返す
無能集団でないとするなら、
これは「事故件数の減少」よりも
「検挙件数とそれによる反則金収入」を
重視しているという意思表示に
他ならないと思います。


もはやこれは、
警察官個人レベルでなく「組織や仕組みが腐敗している」と表現すべきでしょう。


組織が腐敗しているからこそ、
いつまでも事故を減らせない
警察幹部は処罰されることもなく、
今日も安心して昨日と同じように
検挙件数を稼げばよいと考える安易な循環を
いつまでも許容し続けています。


このままの方式が続くなら、
悪質ドライバー(人格破綻者や運転能力欠如者)を取り締まれば
防げたはずの交通事故が、明日もどこかで発生することでしょう。



以上のことから
「現行の交通違反取締りシステムは正しいし、警察はがんばっている」
とする主張は、


警察が本来目指すべき
「現有リソースによる交通事故の極小化」
という観点から考えると、
誤った主張であることを示していると思います。



もちろん、100人中100人がワタクシと同じ主張ではないでしょうし、
そうである必要すらありません。

ですが、もしかすると60人くらいは
ワタクシと同じようなことを考えておられるのでは
ないかと考えています。


てか、いっそ国民投票したいですね。


多くの人が現在の警察方式を正しいと認めるならば
その方式は正しいのだと思います。
(ワタクシはあくまで少数派ということで。)


民主主義の残酷な本質の一つに、
多数派が少数派を合法的に弾圧できるシステムである
ということがあげられます。


ならばワタクシは一生懸命

口をつぐみ
目をつぶり
耳をふさぐ

ことになるのかもしれませんね。笑




取締り110番 道交法違反・交通違反で否認を貫き 警察と闘うブログ 

2014年4月6日日曜日

警察組織の気持ち

今日も余談です。

古今東西、行政組織というものは、
最小の手間で課せられた任務を達成しようとします。

これは正常な思考行動様式ですね。


問題は、
腐敗した行政組織の場合、
その活動目的が
自己組織の勢力・予算の最大化
にすり替えられてしまうことです。


警察組織でいうならば
社会正義や市民生活安寧の実現を標榜しつつ、
自己組織保全を最優先で
課題に取り組むことになります。

交通安全の実現にいたっては
警察組織にもっとも利益が
もたらされるよう取締のみを実行し、
本当の交通安全実現などは
大義名分にすぎなくなるわけです。



今回紹介する公判となったネタ(交通違反系ではありません)から
明らかになるのは彼等の犯罪動機があきらかに

・捜査の効率・最短化(ようは手抜き)
・組織および自己保身

に起因しているという現実です。


もちろん、悪事に手を染める警察官は、20万人居るうちの
ごく一部の悪人だから、仕方ないという論調もあるでしょう。

確かに、警察官個人でみれば、
たしかにマジメな人がほとんどで、
悪人はわずかくらいしかいないのだと
ワタクシも思います。


しかしながら、

市民でなく、警察組織に対して
マジメだからこそ、
手抜きや保身がらみの
事件が発生するわけです。


個人の資質の左右されやすい
贈収賄事件で検挙されている方が
よほど気楽です。



そもそも、この手の事件で
裁判沙汰になるなど氷山の一角にすぎません。


監視機関が有名無実化しているので、
そもそも発覚さえしないのですから。


もし、第三者機関(あるいは本気出したの公安委員会、検察庁、裁判所)を
いれて徹底調査をすれば
いくらでも疑わしい事案は発覚するでしょう。


警察官個人の能力や性質の優劣ではなく、
警察組織そのものが
腐敗しつつあるにも関わらず、

社会システム全体でみても
腐敗を防ぐ仕組みが全く機能していない
(意図的にさせていない)
現実がいまここにあるということ
なのだと思います。


ですが、どの判決をみても
犯罪を実行した個人を断罪するだけで、
実行犯を育んだ警察組織そのものの
風土あるいは人事考課制度にまで
踏み込んだ判決をワタクシは
見たことがありません。


裁判所までこの調子ですから、
警察側からすればやりたい放題ですよね。

ばれたら個人数名に
引責させればよいのですから。



はー、警察幹部になれば笑いがとまらないでしょうね。
(特に交通違反検挙は。笑)


取締り110番 道交法違反・交通違反で否認を貫き 警察と闘うブログ
http://blog.goo.ne.jp/rakuchi


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「狂った時計」疑わなかった警察・検察のあり得ない“デタラメ捜査”…冤罪暴いた新人弁護士、推理小説さながらの「独自調査」

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130803/waf13080307000002-n1.htm



「気兼ね、恐れ、失望、告白…警察組織が嘘に嘘を重ね、バレるメカニズムとは」

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130706/waf13070618000029-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140101/waf14010104010004-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140102/waf14010207010003-n1.htm


「また不祥事 5年計6500件、大阪府警が犯罪統計改竄…過少計上で治安良好演出か

2014年4月5日土曜日

また不祥事 5年計6500件、大阪府警が犯罪統計改竄…過少計上で治安良好演出か/大阪府警


今日は余談です。

すこし古いネタで恐縮ですが、2013年6月25日の大阪府警発表に、
いわゆる警察組織の思考・行動様式がみられましたので
彼等の異常な特性を理解するために記事にします。


まず、統計ごまかしの実行犯は50才巡査長。
しかし、あと10年ほど勤め上げれば
彼は退職金2000万(推定)ですよ?
50才で巡査長と言うことは出世とは無縁の方だったともいえます。

その彼が、なぜ彼個人の単独意志
免職相当の犯罪を犯しますか????

どう考えても、年下の上司からヤンヤヤンヤと
叱責(もしかすると指示)された結末がこれだったのだろうと思います。

・・・結果、可哀想に完全に組織の生贄に
されたのでしょう。


これは氷山の一角で
おそらく日本全国の警察署では
ここまででないせよ数字の調整は普通に行われているでしょう。


だって、少数ならばれないのですから。

なぜ?

彼等の手元にしかない数字で、
監視する機関が実質上存在しないからです。



この一方で、交通事故発生件数が減ると
この発生件数にもとづいて支給される
交通安全特別交付金が減らされるため
警察は事故件数の減少を本気で望めない
システムとなってしまっています。

そして、取締件数が減ると交通安全特別交付金そのものの
原資がなくなるので、この検挙件数も減らせません。

この歪んだ構図が、
現在の交通違反取締のほとんどが、
事故に直結しない安全な道路で
行われる所以になっています。


なぜこんな構図がまかり通るか?

監視する機関が実質上存在しないからです。


都道府県公安委員会の委員選定を
選挙制にするだけでも
ずいぶん変わると思いますけどね。

とにもかくにも
現在の取締方式に一人でも多くの人が
異議をとなえなければ
改革など始まらないでしょう!

納得いかない取締には、
手順をまもってきっちり否認を!


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5年間で計約6500件除外
 大阪府警は25日、虚偽調書の作成や証拠品の捏造(ねつぞう)など不祥事が相次いで発覚した堺署で、平成20~24年の犯罪統計が改竄(かいざん)され、刑法犯認知件数が過少に計上されていたと発表した。刑事課に勤務していた50代の男性巡査長が意図的に資料を府警本部と警察庁に送らず、5年間で計約6500件を除外していたという。
 窃盗や傷害などの刑法犯の認知件数は体感治安の目安として各都道府県警が公表している。防犯対策にもかかわる重要指標での不正発覚は、全国的にも極めて異例だ。
何か貢献したかった…軽微な犯罪間引く
 多くの街頭犯罪の発生件数が全国ワーストの大阪では、抑制策が全署的な課題になっている。巡査長は「私にできることはそれくらいしかなかった。何か貢献したかった」と改竄を認めており、府警は管内の犯罪件数を少なくみせかけようとしたとみて巡査長の処分を検討する。
 捜査関係者によると、刑法犯の認知件数は、各警察署が事件ごとに作成した「認知票」のデータを府警本部と警察庁に送り、カウントする仕組み。

 巡査長は同署が管轄する堺市堺区内の認知件数を少なく見せかけるため、毎年1千件前後の認知票を送信していなかった。主に器物損壊事件や自転車盗など、軽微な犯罪を間引いていたという。
署員が認知件数少ないことに気付き
 巡査長が集計にかかわった20~24年の堺署管内の認知件数(公表値)は、20年=3427件▽21年=3141件▽22年=2552件▽23年=1570件▽24年=1775件。
 ほぼ毎年件数を減らし、特に20年と23年の減少率は約25%と40%近くで、府警全体でもトップクラスだった。昨年、署員が認知件数が少ないことに気付き、不正が発覚した。
 巡査長が改竄を始めた20年は、ひったくりをはじめとした街頭犯罪の「全国ワースト返上」が府警の最重要課題になっていた。巡査長は、当時の署幹部から街頭犯罪抑制の指示を受け、過少計上を思い立ち、一人で実行したという。
 堺署では、留置場で起きた公務執行妨害事件をめぐり、複数の署員が虚偽調書を作成していた問題が今月に入って発覚。元警部補による証拠品の注射器捏造も明るみに出た。

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130625/waf13062515180014-n1.htm


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取締り110番 道交法違反・交通違反で否認を貫き 警察と闘うブログ 

2014年4月2日水曜日

交通違反の未出頭者77人検挙 再三の呼び出しに応じず/神奈川県警

神奈川県警交通指導課は1日、再三の呼び出しに応じなかった交通違反の未出頭者に対して3月に行った一斉強制捜査の結果、県内の男女77人を検挙し、うち45人を道交法違反容疑で逮捕したと発表した。77人はいずれも違反を認め、既に保土ケ谷簡裁で略式裁判を受けて罰金刑が確定したという。
 6日に始まる「春の全国交通安全運動」(15日まで)を前に交通安全への意識を高めるのが狙い。県警は「呼び出しに応じない悪質なドライバーの逃げ得は許さない」としている。
 検挙された77人は、平成23年5月から24年11月までの間に交通違反を犯した。内訳は、速度超過25人▽運転中の携帯電話の使用25人▽通行を禁じた場所の走行13人▽一時不停止5人▽信号無視4人-など。
 このうち、道交法違反(踏切不停止など)容疑で逮捕された横須賀市在住の20代の男性会社員は、3件の交通違反の反則金計1万5千円を納付せず、刑事手続きに移行後も再三の呼び出しに応じなかった。
 また、同法違反(速度超過)容疑で逮捕された茅ケ崎市の30代の男性会社員も反則金1万5千円を納付しておらず、県警の調べに対し、「まさか逮捕されるとは思わなかった。交通違反を甘く見ていた」などと供述しているという。
 県警は今回の一斉強制捜査で90件90人の逮捕状を請求。3月1日から31日までの間に捜査したが、所在不明などの理由で逮捕状を執行できなかった残り13人の違反者に対しては、継続して調べるとしている。

原文はこちら
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140401/kng14040117000002-n1.htm

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これはこれは大手柄ですね神奈川県警。

正規手続きで否認すれば
検察から呼び出しすら掛からずに
終わってしまうことが多い
青切符交通違反事案について、

逮捕されるかもという
極端な例だけを報道機関に
リークできましたから。

こういうのって情報操作工作の典型例ですね。。


青切符、赤切符共に納得できない場合は
ルールに従って正しく否認しましょう。

逮捕の可能性はほぼゼロになりますから。
(DQN警察官にあたらない限りは)


取締り110番 道交法違反・交通違反で否認を貫き 警察と闘うブログ 



2014年4月1日火曜日

イギリスの警察組織事情/ロンドン警視庁

権力は腐敗する。
専制的な権力は徹底的に腐敗する。

と、かの国の識者は断言していました。



まあ、こういう動きが公表されるだけでも、
まだまともな国の証なのかもしれませんね。

そもそも前述の警察組織は、
国情を不安にさせる要素を最小化することを目的に
警察内部に創設された秘密組織でした。

いつのまにやら
警察組織を不安にさせる要素を
取り除くことを目的とする組織となっていました。


これって、白血病にたとえて表現できそうですね。
そもそもは
宿主を守るための免疫システムだったものが、
いつのまにかシステム自身の最大化のために、
宿主すら滅ぼすと・・・。


でもこれは生き物全ての根本原則なのかも知れません。。。




つまり、対抗する権力がない行政組織は100%暴走します。

必ず。


対抗する勢力無き我が国の行政組織も
間違いなく病が進んでいます。
(近隣某国よりはまっしかもですがね)

これに対抗する有力な手段に
ワタクシ達市民レベルでの
草の根運動が該当することは
間違いないでしょうね。


取締り110番 道交法違反・交通違反で否認を貫き 警察と闘うブログ 
http://blog.goo.ne.jp/rakuchi

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原文はこちらです。

http://www.japanjournals.com/index.php?option=com_content&view=article&id=2989:eikoku&catid=64:2011-01-20-16-10-33&Itemid=113


今月六日、スティーブン・ローレンス殺人事件の捜査にあたったロンドン警視庁(MPS)に関する調査報告書が公表された。この調査は内務省の委託を受けたマーク・エリソン元判事のもとで実施された。
報告書は①警視庁内部のSDS(Special Demonstration Squad)という部署がローレンス一家やその支援者に対してスパイ活動をしていたこと、②犯人側に買収された警察官がいたことなどを明らかにしており、その衝撃的な内容に国民は驚きの声をあげた。
周知のようにスティーブン・ローレンスは一九九三年に白人グループに殺された黒人の少年である。捜査を担当した警視庁に人種差別意識があったことは早くから指摘されていたが、今回の調査ではさらに、正当な捜査を求めるスティーブンの両親やその支援者にSDSのスパイが巧みに取り入り、情報を収集していた事実が明らかになった。また、捜査にあたった警察官の一部が殺人犯の父親から買収されていたことも確認された。
スティーブンの両親やその支援者にSDSのスパイが接触していたことは昨年六月、ピーター・フランシスら三人のSDS元メンバーが新聞紙上で公表していた。ほぼ同時期に出版された『Undercover』(ポール・ルイスとボブ・エバンスの共著)という本でも、警察を批判するスティーブンの両親の動きをSDSがスパイ活動によって探ったり、世論操作のためにスティーブン個人のイメージを傷つけようと画策したりしたことが詳述されていた。今回の調査はそれらの情報を受けて行なわれたものだった。
SDSは日本語に直訳すれば「特別デモ部隊」であろう。その名の通り、
本来の任務は市民の各種組織が行なうデモ行進の規模や危険度を正確に予測するために情報を収集することだった。彼らが得た情報によって警察は警備の陣容を決めていた。それはいわば警察の予算を無駄なく使うための活動である。しかし、SDSの任務はそれだけではなかった。彼らは市民組織の動きを探り、政府や警察にとって都合の悪い活動が行なわれそうな場合はそれを妨害し、世論への影響を最小限に食い止める任務も負っていた。彼らがスパイ活動をしていたのはそのためである。スパイ行為の対象は政治的立場が右翼か左翼かに関わらず、人権、環境保護、動物愛護などの団体のほか、人種差別的な組織やそれに反対する組織にも及んだ。

 SDSは一九六八年に創設され、二〇〇六年に解体された。成熟した民主国家であるはずのイギリスにこうした闇の組織が存在していたのである。今回の調査結果についてテレサ・メイ内務相は「改めて司法主導による独立組織でSDSに関する全ての事実を調べ上げる」と議会に報告した。むろん徹底的に調べなければ国民が納得しないだろうが、SDSの記録の多くはすでに廃棄されているといわれ、どこまで真実が明らかになるか心もとない。
というよりも、全容が暴かれたら困る人物が政府や警察に大勢いるのではなかろうか。スティーブン・ローレンス殺人事件の発生当時に警視庁の最高責任者だったポール・コンドン氏はSDSのスパイ行為について「私は承認もしていないし、奨励もしていない。もし私が知っていたらやめさせていただろう」と述べているが、白々しさは否めない。
スティーブンの母親、ドリーンさんは弁護士を通じて「不正行為を根底から明らかにし、それに関わった人たちを厳罰に処して欲しい」とコメントした。おそらく彼女は「トカゲのしっぽ切り」のようにSDSの末端要員だけが罪に問われ、スパイ活動を命じた政府や警察の上層部が処罰を免れることを懸念しているのだろう。長い間、正当な捜査を求めて戦って来た彼女は経験上、国家権力のそうした体質をいやというほど知っているに違いない。
ロンドン警視庁が創設されたのは一八二九年である。それから二世紀近く経ち、イギリスは多様な民族が共存する国家になったが、警察はそれに応じて意識を変えることが出来ず、自己保身を第一に考える陰湿な組織になってしまったようだ。
SDSの件で国民の警察に対する信頼は大きく損なわれた。それをどう回復するのか。表向きの言葉だけではなく、政府と警察当局が本気で取り組む姿勢を見たいものだ。

ついでにこちらも関連記事です。
http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/51869029.html

元警察官が語る、交通違反取り締まり時の言い訳・言い逃れベスト5

すばらしい記事です!! 提灯記事を専門とするサラリーマン記者諸君には どんどん真似をするべきでしょう。 利害が相対する一方の立場の発言を 裏取りや調査もせず ただ聞いたことを記事にして 交通安全を声高に叫ぶ!    すばらしいw ...